11月のメニュー
11月のメニュー
ハチノスのトマト煮込み、トースト添え
リゾットとペンネの2種類のチーズ風味
魚介のグリル、バジリコソースとレモンを添えて
牛サガリ肉のロティ、バルサミコ酢のソース
ホットアップルパイ
食後のお飲み物 パン
4500円
11月メニューの説明物語
木枯らしが吹き始める11月のある日、
旅人は10回目となるCUCINA MATERIALへの訪問を果たした。
10月の思い出がまだ鮮明に心に残る中、秋の深まりとともに店を訪れる。
扉を開けると、いつものayumiが温かな笑顔で迎えてくれた。
「お待ちしておりました。今月も特別なメニューをご用意しております」
窓際の席に座ると、外の景色は落ち葉が舞い、
冬の足音が近づいていることを告げていた。
最初に運ばれてきたのは
「ハチノスのトマト煮込みトースト添え」。
柔らかく煮込まれたハチノスは、深いトマトソースに包まれ、
香ばしくトーストされたパンと見事に調和していた。
食欲を掻き立てる一皿に、旅人は深いため息をこぼした。
続いて登場したのは
「リゾットとペンネの2種類のチーズソース」。
リゾットは濃厚でクリーミーな質感、
ペンネはチーズソースによって優しく包まれ、
異なる二つのパスタの味わいが見事に共演していた。
秋の深まりを感じさせる、温かみのある一皿だった。
「魚介のグリル、バジリコソースとレモン添え」は、
瑞々しい赤エビとホタテが香ばしくグリルされ、
鮮やかなバジリコソースが彩りを添えている。
レモンの爽やかさが、重厚な秋の料理に軽やかさをもたらしていた。
メインディッシュの
「牛サガリ肉のロティ、バルサミコ酢のソース」は、
肉の旨味と深いバルサミコ酢のソースが見事に溶け合い、
秋の夜長にふさわしい豊かな味わいを奏でていた。
柔らかく焼き上げられた肉は、まるで季節の物語のように、
旅人の記憶に刻まれていく。
デザートの
「ホットアップルパイ、ヨーグルトソース」は、
温かさと甘さが見事に調和した一皿。
香ばしいパイ生地からはシナモンの香りが立ち昇り、
添えられたヨーグルトソースが全体に優しい酸味を加えていた。
まさに、秋の終わりを感じさせるデザートだった。
食後のお飲み物を楽しんでいると、
おなじみのosakabeシェフが姿を現した。
「10回目のご来訪、本当にありがとうございます。
季節の移ろいとともに、私たちも日々進化を続けています」
旅人は深い満足感とともに応えた。
「毎月、新しい物語に出会えることに感謝しています。
料理を通して、季節の息吹を感じることができるのが、
この店の最大の魅力です」
osakabeシェフは温かな眼差しで微笑んだ。
「お客様のその言葉が、私たちの何よりの喜びです。
これからも、季節の物語を紡ぎ続けてまいります」
店を出ると、街路樹の葉はほとんど落ち、
冬の接近を予感させていた。
旅人は、10回の訪問を通じて深まったCUCINA MATERIALとの絆を胸に、
静かに帰路についた。
そして、次の訪問で待ち受ける新たな物語への期待に、心が高鳴るのだった。
月に2日だけ開かれる扉の向こうで、
まだ見ぬ季節の味わいが、静かに息をひそめていた。
つづく・・・