小さな小さなマテリアル食堂

9月のコースメニュー

9月のコースメニュー

マグロとサーモンのエスカベッシュ風
豆腐とささみの辛味トマトソース焼き
与謝野コシヒカリを使ったキノコのリゾット
鮮魚と野菜の紙包み焼き
豚肉と生ハムの重ね焼き、サルティンボッカ風
いちじくとクルミのケーキ
パン コーヒー

税込4400円

9月の料理説明

マグロとサーモンのエスカベッシュ風
「深海の王者と清流の貴公子が、地中海の香りに身を委ねる。酸と旨みが織りなす、海の宝石箱。」

豆腐とささみの辛味トマトソース焼き
「和の静寂と洋の情熱が火花を散らす。しっとりささみと滑らか豆腐が、トマトの深紅に包まれ、舌を戦慄させる。」

与謝野コシヒカリを使ったキノコのリゾット
「日本の誇る米の芸術品が、秋の妖精たちと踊る。クリーミーな口溶けに、森の香りが漂う贅沢な一皿。」

ブリと野菜の紙包焼き、特製スープと共に
「海と大地の恵みが、和紙の中で密やかな宴を催す。開けば立ち昇る芳香に、五感が目覚める。」

豚肉と生ハムの重ね焼き、サルティンボッカ風
「柔と硬、塩と甘み。相反する味わいが重なり合い、イタリアの風が口の中を駆け抜ける。」

いちじくとクルミのケーキ
「秋の果実が、木の実の優しさに抱かれる。しっとりとした生地が、季節の移ろいを物語る。」

食後のお飲み物
「美食の余韻を永遠のものにしてくれるのが、ドルチェと共にいただくお飲み物。満腹感が至福のひとときに。」

美食の旅人、9月の物語

朝晩の涼しさが心地よい9月のある日、
旅人は8度目となるCUCINA MATERIALへの訪問を果たした。
1月から続く美食の旅は、この店との特別な絆を深めていった。
扉を開ける手に、わずかな興奮を感じる。
いつものようにayumiが出迎えてくれた。
その笑顔には、旧知の友を迎える温かさが滲んでいた。
「お帰りなさいませ。8回目のご来店、
心より歓迎いたします。
今日は初秋の味覚を存分に楽しんでいただける
特別なメニューをご用意しています」
窓際の席に案内されると、外の景色は夏の名残と秋の訪れが混在する、
独特の季節感を醸し出していた。
最初に運ばれてきたのは、

「マグロとサーモンのエスカベッシュ風」。
夏の余韻を感じさせる爽やかな一品だ。
マグロとサーモンの鮮やかな色合いが、
目にも楽しい。
酢の酸味と香辛料の風味が絶妙なバランスを保ち、
口の中で踊る。
旅人は、8月の前菜とは全く異なる味わいに、
季節の変化を実感した。

続いて「豆腐とささみの辛味トマトソースのせ焼き」が登場。
和の食材と洋の調理法が見事に融合した一皿だ。
豆腐のなめらかさとささみの軽やかな食感、
そしてトマトソースの酸味と辛みが複雑な味わいを生み出している。
旅人は、osakabeシェフの創造力に改めて感嘆した。

プリもピアットは「与謝野コシヒカリを使ったキノコのリゾット」。
つやつやと輝く米粒の間から、
秋の香り高いキノコが顔を覗かせる。
一口すくえば、米の甘みとキノコの旨味が口いっぱいに広がる。
旅人は、地元の食材へのこだわりを感じ取った。
一つ目のメインディッシュが運ばれて来た。

「ブリと野菜の紙包焼き、特製スープと共に」は、
開けた瞬間に立ち上る香りに思わず目を閉じてしまう。
ブリの脂の甘みと野菜の優しい味わいが、
特製スープによって見事に調和されている。

そして「豚フィレ肉と生ハムの重ね焼き、サルティンボッカ風」。
豚フィレ肉の柔らかさと生ハムの塩気が絶妙なバランスを保ち、
秋の夜長にぴったりの一皿だ。

ドルチェは「いちじくとクルミのケーキ」。
秋の味覚の代表格であるいちじくの甘みと、
クルミの香ばしさが口の中で優しく溶け合う。
旅人は、このデザートに初秋の訪れを強く感じた。
「食後のお飲み物」を楽しんでいると、
osakabeシェフが姿を現した。
「8回目のご来店、本当にありがとうございます。
今回のメニューはいかがでしたか?」
旅人は感動を抑えきれない様子で答えた。
「本当に素晴らしかったです。
夏から秋への移り変わりを、一つ一つの料理で感じることができました。
特に、地元の食材を使ったリゾットには感動しました」
osakabeシェフは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。
私たちは常に、その時季にしか味わえない
最高の食材を提供したいと思っています。
与謝野のお米は、この時期が最高の味わいなんです」
旅人は、心からの感謝と共に店を後にした。
8回の訪問を経て、CUCINA MATERIALは単なるレストランではなく、
旅人の人生の一部となっていた。
店を出ると、空には秋の星座が輝いていた。
旅人は次の訪問を心待ちにしながら、
夜の街を歩き始めた。
この美食の旅が、まだまだ続くことを願いながら。​​​​​​​​​​​​​​​​